石門(読み)せきもん

精選版 日本国語大辞典 「石門」の意味・読み・例文・類語

せき‐もん【石門】

〘名〙
① 石で造った門。石の門。
※本朝麗藻(1010か)下・秋日登天台過故康上人旧房〈藤原有国〉「石門罷月無人到、巖空掩雲見鶴遊
道草(1915)〈夏目漱石〉七二「彼は絹帽(シルクハット)フロックコートで勇ましく官邸の石門(セキモン)を出て行く細君の父の姿を」 〔蜀志注‐張嶷伝〕
② 自然に門の形になった岩石
※扶桑集(995‐999頃)七・北堂文選竟宴各詠句探得披雲臥石門〈大江澄明〉「傍山披得暮雲屯、好是貪幽臥石門」 〔袁宏道‐姑蘇游記〕
③ 灸所の一つ。臍(へそ)と陰部の中間にあり、ここに灸をすえると妊娠しないという。
随筆・独寝(1724頃)下「麝香(じゃかう)をほぞのうへにはり、石門といふ所に灸をして」
④ 江戸中期の思想家、石田梅巖の始めた心学の門流
道二翁道話(1795‐1824)序「天人合一の地位に至らんと学び給はば、実に我石門の徒弟と云ふべき歟」

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デジタル大辞泉 「石門」の意味・読み・例文・類語

せき‐もん【石門】

石材でつくった門。石の門。
自然の岩石で門のような形をしているもの。
経穴の一。へその下2寸の所。むくみ・腹病などの治療点。
石門心学の門流。

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日本歴史地名大系 「石門」の解説

石門
いわもん

[現在地名]北区西賀茂岩門

すぎ坂から丹波周山しゆうざん(現北桑田郡京北町)に至る山道上り口にある巨岩で、道の両側に門のごとくにそびえたつ。「山州名跡志」は、

<資料は省略されています>

として、石門のある東側の山を愛宕あたご山とよぶことからも、もと愛宕神社がこの地に鎮座していたとする。一方「都名所図会」は承和年間(八三四―八四八)開創された霊巌れいがん寺の石門とする。

<資料は省略されています>

霊巌寺の石門については、古く「今昔物語集」巻三一に「寺ノ前ニ三町許去テ巌廉有リケリ、人ノ屈テ通ル許ノ穴ニテゾ有ケル。万ノ人皆参リ仕リテ、験新タ也ケレバ、僧房共数造リ重ネテ、シ事无限シ」と記し、その「岩廉」を霊巌寺の別当天皇行幸邪魔になると砕いたところ、霊験を失い、寺は滅びてしまった話を記す。

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普及版 字通 「石門」の読み・字形・画数・意味

【石門】せきもん

石の門。

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