石山源氏(読み)いしやまげんじ

精選版 日本国語大辞典 「石山源氏」の意味・読み・例文・類語

いしやまげんじ【石山源氏】

箏曲。山田流奥許(おくゆるし)物。千代田検校(けんぎょう)作曲歌詞謡曲源氏供養(げんじくよう)」に取材天保、弘化年間(一八三〇‐四八)に成る。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石山源氏」の意味・わかりやすい解説

石山源氏
いしやまげんじ

山田流箏曲の曲名。奥歌曲。千代田検校作曲。能の『源氏供養』を原拠とし,上下2曲に分れる。上は,安居院の高僧法印が石山寺観世音に参詣しようとしたところ,紫式部の霊である里女に呼びとめられ,女の求めに応じて光源氏を供養するという内容。下は,『源氏物語』の巻名を読込んだ供養の願文から始り,最後に紫式部は観世音の化身であったと締めくくる。上では,三弦は三下りから本調子,三下りに戻る。箏は雲井調子。下では,三弦は低二上りから三下り。箏は半岩戸調子 (夕鐘調子ともいう) から雲井調子。上下を別々に演奏するのが通常であるが,続けて演奏する場合には,上の最後の部分を変え,下の前弾きを合の手とする。

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