石ノ森章太郎(読み)イシノモリショウタロウ

デジタル大辞泉 「石ノ森章太郎」の意味・読み・例文・類語

いしのもり‐しょうたろう〔‐シヤウタラウ〕【石ノ森章太郎】

[1938~1998]漫画家宮城の生まれ。本名、小野寺章太郎。SF時代物・大人向けの学習漫画など幅広いジャンルを描き分け、綿密なストーリー展開とリアルなタッチ評価を集める。代表作サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」「マンガ日本経済入門」など。また、子供向け特撮番組「秘密戦隊ゴレンジャー」の原作も手がけた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎
いしのもりしょうたろう

[生]1938.1.25. 宮城,石森
[没]1998.1.28. 東京
漫画家。本名は小野寺章太郎。宮城県立佐沼高等学校在学中の 1955年,『漫画少年』に投稿した『二級天使』でデビュー。 1956年の卒業とともに上京してトキワ荘に入居,石森章太郎ペンネームで活動した。幅広いジャンルで活躍し,初期には冒険物『幽霊船』,少女物『龍神沼』,超能力物『ミュータント・サブ』などを発表。 1960年代の少年週刊誌全盛期には代表作『サイボーグ 009』 (1964) を発表。 1965,1966年には発想から制作までのプロセスや表現法を詳述した『マンガ家入門』 (正・続2冊) を出版。青年コミック誌では,『佐武と市捕物控』 (1967) など時代物,『009ノ1』 (1967) などお色気物も発表し,手塚治虫主宰の月刊誌『COM』には詩的ファンタジーを取り入れた実験作『ジュン』 (1967~69) を連載。 1970年代には『仮面ライダー』など,テレビの特殊撮影番組と連携した作品を多く手がけた。 1986年にペンネームを石ノ森章太郎に変え,同時期に連載が始まった『HOTEL』が後期の代表作となる。 1986年からは単行本『マンガ日本経済入門』 (4巻) ,『マンガ日本の歴史』 (55巻) などで新たな分野も開いた。

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百科事典マイペディア 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎【いしのもりしょうたろう】

漫画家。本名小野寺章太郎。宮城県生れ。佐沼高校在学中より東日本漫画研究会とその同人誌《墨汁一滴》を主宰。同人には赤塚不二夫らがいた。高校3年生の1955年,石森章太郎名で《二級天使》によりデビュー。卒業と同時に上京,トキワ荘に住み寺田ヒロオ,藤子不二雄,赤塚らと交わる。少女漫画《幽霊少女》,SF《サイボーグ009》,実験的ファンタジー《ジュン》,時代物《佐武と市捕物控》,スーパーヒーロー物《仮面ライダー》など,卓越した技術と斬新な語り口で多様なジャンルの作品を発表。《マンガ日本経済入門》は情報漫画ブームの先駆となった。他に《HOTEL》《マンガ日本の歴史》などがある。1985年より現名。
→関連項目永井豪漫画

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎
いしのもりしょうたろう
(1938―1998)

漫画家。本名、小野寺章太郎。宮城県生まれ。高校時代に長編漫画『二級天使』を『漫画少年』に発表し注目される。高校時代、手塚治虫(おさむ)のアシスタントも経験。卒業と同時にプロ作家となる。『ジュン』のような実験的な作品から『おかしなおかしなおかしなあの子』のような短編ストーリー漫画、『サイボーグ009』のような長編コミック、さらには200万部の大ベストセラーとなった『マンガ日本経済入門』のような教養漫画まで幅広い分野をこなし、「萬画家」と称した。作品数は単行本だけでも400冊を超えるという。最初、石森章太郎のペンネームを使ったが、1985年(昭和60)より石ノ森章太郎と改めた。1992年(平成4)「コミック表現の自由を守る会」代表、1994年ストーリー漫画家を中心に結成された団体「マンガジャパン」の世話人代表となる。代表作は『佐武と市捕物控』『仮面ライダー』『ミュータント・サブ』『さんだらぼっち』『幻魔大戦』『リュウの道』『がんばれロボコン』『HOTEL(ホテル)』『マンガ日本の歴史』など。

[清水 勲]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「石ノ森章太郎」の解説

石ノ森章太郎 いしのもり-しょうたろう

1938-1998 昭和後期-平成時代の漫画家。
昭和13年1月25日生まれ。宮城県立佐沼高在学中より「漫画少年」に「二級天使」を連載。「サイボーグ009」「佐武と市捕物控」「仮面ライダー」など幅ひろいジャンルをえがく。61年「マンガ日本経済入門」で情報コミックのブームをおこし,全55巻という大作「マンガ日本の歴史」も話題となった。平成10年1月28日死去。60歳。宮城県出身。本名は小野寺章太郎。筆名ははじめ石森章太郎。

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