出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
愛知県西部,知多半島北西部に位置し,伊勢湾に面する臨海工業都市。1970年市制。人口8万4768(2010)。江戸時代中期,中央部の岡田で発祥した綿織物業は知多さらしの名で知られ,現在も輸出向けの広幅物が生産されている。1962年に始まった名古屋南部臨海工業地帯の造成により石油,LNG,発電を中心としたエネルギー関連産業,鉄鋼業,配合飼料,糖化製品製造業などの工場が進出し,以前盛んであった沿岸漁業,ノリ養殖,海水浴場は姿を消した。農業は都市近郊型農業の性格が強く,稲,野菜,果樹,切花,観葉植物の栽培などを含めた複合経営が行われている。東部の丘陵地は名古屋都市圏の住宅地として昭和40年代に次々と宅地開発が進められた。名鉄常滑線朝倉駅の近くに知多市歴史民俗博物館があり,重要文化財の漁労関係の民具,知多木綿の生産用具などが展示されている。伝統芸能として尾張知多万歳,朝倉の梯子獅子(はしごじし)が有名。
執筆者:溝口 常俊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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