矢野健太郎(読み)やのけんたろう

百科事典マイペディア 「矢野健太郎」の意味・わかりやすい解説

矢野健太郎【やのけんたろう】

数学者。東京都生れ。東京帝国大学(現,東京大学)理学部数学科卒業。1950年から1952年までアメリカのプリンストン高等研究所所員を務め,その間にアインシュタインらの知遇を得た。その後,東京工業大学教授などを歴任。同大学名誉教授。相対性理論の数学的基礎付けをなす微分幾何学権威で,主著に《微分幾何学》《初等解析幾何学》などがある。専門書のほかにも教科書,啓蒙書,数学エッセーなど幅広い分野の著作があり,受験参考書著者〈ヤノケン〉としても名高い。また,著書エレガント解答》に代表されるように,〈なぜ?〉を基調として数学の世界に〈エレガント〉という言葉をもち込んだことでも知られる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「矢野健太郎」の解説

矢野健太郎 やの-けんたろう

1912-1993 昭和時代の数学者。
明治45年3月1日生まれ。プリンストン高級研究所員などをへて,昭和33年東京工業大教授となる。微分幾何学の研究で知られる。専門書のほか教科書,参考書,一般書の執筆を通じて数学への啓発,数学教育改善につくした。平成5年12月25日死去。81歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「すばらしい数学者たち」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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