眼窩底骨折(読み)がんかていこっせつ(英語表記)Orbital floor fracture

六訂版 家庭医学大全科 「眼窩底骨折」の解説

眼窩底骨折
がんかていこっせつ
Orbital floor fracture
(外傷)

どんな外傷か

 前方から鈍的(どんてき)外傷を受けた場合、眼球周囲の骨折(最も薄い眼窩底が多い)を生じ、眼球の運動障害、眼球陥没(がんきゅうかんぼつ)複視(ふくし)(物が二重に見えること)などを生じます。

原因は何か

 多くはスポーツ(とくに球技)、ケンカ、転倒や交通事故で起こります。

症状の現れ方

 眼球運動障害(とくに上方に眼を動かすことができない障害が多い)に伴う複視、眼球陥没、血性の鼻汁皮下気腫(ひかきしゅ)などですが、眼球自体の障害は比較的少ないことが多い傾向にあります。

検査と診断

 単純X線、CTMRIなどの画像診断を行います。また、ヘス赤緑試験などで眼球運動障害の程度を把握します。

治療の方法

 早期に陥入組織の整復手術を行います。手術を行わずに経過を観察する場合もあります。

坪田 一男, 鹿島 みのり

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「眼窩底骨折」の意味・わかりやすい解説

眼窩底骨折
がんかていこっせつ
blowout fracture

眼窩内容に直接強い外力が加わったときに,眼窩骨壁のなかで最も弱い下壁が,上顎洞内へ抜け落ちるように骨折した状態。打抜き骨折ともいわれ,眼窩内の脂肪組織が骨折部に脱出して元に戻らなくなるかんとん (嵌頓) の状態になるため,眼球の陥没と運動制限,特に上下運動の著明な制限が起る。この骨折は,軟式野球ボール他人の肘とか膝がぶつかったときなどに起りやすい。治療は,骨折部から脱出,かんとんしている軟部組織を整復し,自家骨片かシリコン板で穴をふさぐ。

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