真珠夫人(読み)シンジュフジン

デジタル大辞泉 「真珠夫人」の意味・読み・例文・類語

しんじゅふじん【真珠夫人】

菊池寛長編小説。大正9年(1920)大阪毎日新聞東京日日新聞連載。父の借金により船成金老人のもとに嫁がされた瑠璃子が、恋人直也のため貞操を守りつつ、男たちを手玉にとって生きてゆくさまを描いた愛憎劇。主人公のモデルは歌人柳原白蓮とされる。数多くの映画化・ドラマ化作品がある。

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世界大百科事典 第2版 「真珠夫人」の意味・わかりやすい解説

しんじゅふじん【真珠夫人】

菊池寛の長編小説。1920年《東京日日新聞》《大阪毎日新聞》に掲載。唐沢男爵の令嬢瑠璃子は,父をおとしいれた船成金の荘田勝平の後妻となり,身体を許さずに老醜の夫を翻弄する。勝平は白痴の息子に襲われて急死,瑠璃子の復讐は成就するが,莫大な遺産を相続した彼女はサロンの女王として君臨し,女性を弄ぶすべての男性に挑戦する。しかし,崇拝者の一人,青木稔を義理の娘美奈子が慕っていることを知った彼女は,稔をしりぞけるが,その真意を誤解した彼に刺されて死ぬ。

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デジタル大辞泉プラス 「真珠夫人」の解説

真珠夫人

①菊池寛の長編小説。元華族の令嬢が、運命に翻弄され近寄る男を次々と破滅させていく魔性の女性となっていく姿を描く。1920年発表。
②TBS系列放映による日本の昼帯ドラマ。花王愛の劇場。①を原作とする。1974年9~10月放映(全40回)。出演:光本幸子、久富惟晴ほか。
③東海テレビ制作、フジテレビ系列放映による日本の昼帯ドラマ。①を原作とする。2002年4月~6月放映(全65回)。出演:横山めぐみ、葛山信吾、大和田伸也ほか。

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