普及版 字通 「真(漢字)」の読み・字形・画数・意味
真
常用漢字 10画
(旧字)眞
人名用漢字 10画
[字訓] まこと
[説文解字]
[その他]
[字形] 会意
旧字は眞に作り、(か)+県(けん)。は(化)の初文で死者。県は首の倒形で倒懸の象。死(てんし)の人をいう。〔説文〕八上に「人なり。形を變へて天に登るなり」とし、八は乗物、これに乗じて天に登る意とするが、当時の神仙説によって説くものにすぎない。死者は霊威の最も恐るべきもので、慎んでこれを塡めて鎮(しず)め、これを中に(お)き、その瞋(いか)りを安んじ、玉を以て呪霊を塡塞(てんそく)するをという。眞に従う字は、みなその声義をとる字である。〔荘子、秋水〕に「其の眞に反る」、〔荘子、大宗師〕に「眞人りて、而る後に眞知り」など、絶対の死を経て真宰の世界に入るとする思弁法があって、真には重要な理念としての意味が与えられるようになった。
[訓義]
1. まこと、不変なもの、永遠なもの、真の実在。
2. うまれつき、たましい、ありのまま。
3. みち、もと、存在。
4. 真人、成道の人。
5. まことに、げに。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕眞 マコト・オホシ・ヒトリサカヅキ〔字鏡集〕眞 サネ・マコトニ・マフ・マコト・ヒジリ・オホシ・ツカツキ
[声系]
〔説文〕に眞声として・・嗔・・瞋・・・愼(慎)・塡・鎭(鎮)など、二十字を収める。おおむね死者の呪霊と、その呪鎮の方法に関する字である。
[語系]
眞tjien、嗔・瞋thjienは声義近く、嗔・瞋はともに死者の怒りをいう。tyen、塡・dyen、thyenも、みな眞の声義を承ける字である。
[熟語]
真意▶・真一▶・真隠▶・真宇▶・真仮▶・真価▶・真▶・真我▶・真界▶・真解▶・真愨▶・真官▶・真贋▶・真帰▶・真偽▶・真義▶・真居▶・真経▶・真境▶・真愚▶・真空▶・真君▶・真形▶・真契▶・真景▶・真訣▶・真玄▶・真箇▶・真個▶・真吾▶・真悟▶・真紅▶・真宰▶・真子▶・真摯▶・真似▶・真事▶・真実▶・真趣▶・真儒▶・真醇▶・真書▶・真賞▶・真情▶・真心▶・真人▶・真粋▶・真是▶・真成▶・真正▶・真性▶・真誠▶・真跡▶・真蹟▶・真節▶・真▶・真仙▶・真筌▶・真践▶・真素▶・真相▶・真想▶・真贓▶・真率▶・真体▶・真態▶・真宅▶・真知▶・真智▶・真諦▶・真的▶・真犯▶・真筆▶・真物▶・真味▶・真命▶・真腴▶・真容▶・真理▶・真霊▶
[下接語]
鑒真・帰真・求真・見真・玄真・失真・写真・守真・淑真・純真・淳真・乗真・正真・精真・蔵真・知真・沖真・貞真・天真・伝真・道真・任真・迫真・真・保真・抱真・朋真・本真・妄真・養真・留真
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報