省試(読み)しょうし

精選版 日本国語大辞典 「省試」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し シャウ‥【省試】

〘名〙
令制で、式部省大学国学などから推挙された官人候補者に行なった試験。形式化しつつ、応仁乱後まで続いた。
※九暦‐九暦抄・天暦二年(948)六月一四日「式部大輔維時朝臣給勅題、向本省路事〈省試〉」
中国、唐・宋時代(七世紀初~一三世紀末)に行なわれた官吏登用試験。受験生は各州から推挙された者で、尚書省の礼部で試験し、及第者を貢士(こうし)と称した。のちの会試にあたる。
制度通(1724)六「省試とは、尚書省の礼部にて試みらるるによりて云なり」 〔新唐書‐選挙志上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「省試」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し〔シヤウ‐〕【省試】

律令制で、式部省大学国学から推挙された者に対して行った官吏任用試験。
中国の時代、尚書省礼部郷試の及第者に課された官吏登用試験。及第者を貢士という。後世会試にあたる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「省試」の解説

省試
しょうし

宋代に完成した科挙の3段階制の第2段階に相当する試験
州試の合格者である挙人が受験し,これに合格した者が第3関門である殿試の受験資格を得た。尚書省礼部が行った。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

普及版 字通 「省試」の読み・字形・画数・意味

【省試】しようし

礼部の試験。

字通「省」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の省試の言及

【進士】より

…ただし宋以後の進士科は詩賦のうえに,経義,策論をも試されるので,実質的には在来の明経,秀才の科をすべて包含したことになる。唐代の進士科には中央の学校の生徒と,各州が試験したうえで推薦した郷貢の進士とが応ずることができ,これらに対して中央政府が行う試験を貢挙,または省試と称した。貢挙は初め吏部のつかさどるところであったのを,のちに礼部の所管に改めたのは,それが就職試験ではなくて,資格試験であったからである。…

※「省試」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android