相馬野馬追い祭(読み)そうまのまおいまつり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「相馬野馬追い祭」の意味・わかりやすい解説

相馬野馬追い祭
そうまのまおいまつり

福島県南相馬市雲雀ヶ原(ひばりがはら)を中心に、毎年7月23日から3日間にわたって行われる祭り。相馬藩主の先祖が千葉県小金ヶ原で、放牧の馬を年1回集め、最初に捕まえた葦毛(あしげ)の馬の首に白幣(はくへい)を結び、妙見社に奉納する神馬(しんめ)を選ぶ神事であった。相馬氏は1611年(慶長16)に居城を中村(現相馬市)に移し、同様の神事を継承したが、大規模な祭礼行事にしたのは1696年(元禄9)相馬昌胤(まさたね)のころという。当初は5月の中の申(さる)の日が祭日であった。明治年間に一時中絶したが、その後は相馬領の三妙見(相馬市中村神社、南相馬市原町区太田神社、南相馬市小高区小高神社)の祭礼行事となり、新たに花火で打ち上げる神旗争奪などが加わった。「相馬野馬追」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

[井之口章次]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android