相良寺(読み)あいらじ

日本歴史地名大系 「相良寺」の解説

相良寺
あいらじ

[現在地名]菊鹿町相良 馬場西

相良山の南裾、相良の集落北端にある。天台宗、吾平山医王院と称する。本尊は丈六坐身の千手観音。通称は相良観音。「相良観音由来記」は弘仁五年(八一四)最澄の開基と伝え、「国誌」には最澄以外に鎌倉初期の俊の開基説も載せる。「一統志」に「歴世信敬之道場也」とあるように、菊池氏の祈願所として歴代の崇拝を受けた。

正平年間(一三四六―七〇)と推定される一二月九日の阿蘇惟澄宛の菊池武光書状写(阿蘇家文書)に「抑吾平山塔供養に入事候熊皮隔泥、可借給候」とあり、当寺の宝塔供養が催されたことが知られ、正平三年六月一二日から二〇日にかけて菊池にいた懐良親王が戦勝祈願のために参籠している(同二三日「五条頼元書状写」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「相良寺」の解説

相良(あいら)寺

熊本県山鹿市にある天台宗の寺院山号は吾平山、院号は医王院。本尊は千手観音で、「相良観音」とも呼ばれる。安産・子授けの寺として知られる。

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