直人(読み)なおびと

精選版 日本国語大辞典 「直人」の意味・読み・例文・類語

なお‐びと なほ‥【直人】

〘名〙 普通の家柄の人。世の常の人。直者。ただびと。
伊勢物語(10C前)一〇「父はなおびとにて、母なん藤原なりける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「直人」の意味・読み・例文・類語

なお‐びと〔なほ‐〕【直人】

平凡な家柄の人。ただびと。
「父は―にて、母なむ藤原なりける」〈伊勢・一〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「直人」の意味・わかりやすい解説

直人 (じきにん)

あるいは〈ちょくじん〉か。《職員令集解》讃説に,〈夜仕を宿といい,昼仕を直という〉とあり,本来一般に政庁・事務所などの事務執行者をさす。平安・鎌倉期には〈健児・非違両直〉〈国衙直人〉〈兵馬所直人〉〈小城郡直人〉など国衙・大宰府郡衙の在庁官人を指すほか,〈直人荘官〉〈直人名主〉などとして見える荘衙の事務官,〈宗像直人〉などの神社の直人や〈関所直人〉など,多方面にわたり,それぞれの機関の役人=事務執行者をさす言葉として用いられている。史料的には九州地方に多く確認されるが,本来地域的に限定される言葉ではない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の直人の言及

【直人】より

…《職員令集解》讃説に,〈夜仕を宿といい,昼仕を直という〉とあり,本来一般に政庁・事務所などの事務執行者をさす。平安・鎌倉期には〈健児・非違両直〉〈国衙直人〉〈兵馬所直人〉〈小城郡直人〉など国衙・大宰府・郡衙の在庁官人を指すほか,〈直人荘官〉〈直人名主〉などとして見える荘衙の事務官,〈宗像直人〉などの神社の直人や〈関所直人〉など,多方面にわたり,それぞれの機関の役人=事務執行者をさす言葉として用いられている。史料的には九州地方に多く確認されるが,本来地域的に限定される言葉ではない。…

※「直人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android