目陰(読み)まかげ

精選版 日本国語大辞典 「目陰」の意味・読み・例文・類語

ま‐かげ【目陰】

〘名〙
遠方を見るとき、光線をさえぎるために、額(ひたい)に手をかざすこと。
源平盛衰記(14C前)一三「赤く大なる鼬の〈略〉踊り上り踊り上り、目影(マカゲ)なんどして失せにけり」
② (「いたち(鼬)の目陰」という表現から) 疑わしく思うような目つきをすること。
源氏(1001‐14頃)東屋「鼬(いたち)の、侍らむやうなる心地のし侍れば〈略〉後めたげに、気色ばみたる御まかげこそ、わづらはしけれ」
③ 目のとどかないところ。すき。油断
浮世草子・男色十寸鏡(1687)下「師の眼陰(マカケ)をねらひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「目陰」の意味・読み・例文・類語

ま‐かげ【目陰/目×蔭】

遠くを見るとき、光線を遮るために、手をひたいにかざすこと。
いたちの…、―なんどして」〈盛衰記・一三〉
疑わしく思うような目つきをすること。
「気色ばみたる御―こそわづらはしけれ」〈・東屋〉

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