しわ【皺】
〘名〙
①
皮膚、紙、布などの
表面がたるんで、細かに縮
み、筋目のできたもの。
※
万葉(8C後)五・八〇四「
紅の おもての上に いづくゆか 斯和
(シワ)が来りし」
※評判記・
野郎虫(1660)伊藤
古今「右のかたの口びるに、ちいさきしはありてみぐるし」
※古今(905‐914)雑体・一〇〇三「なにはの
浦に 立つ
浪の 波の
しわにや おぼほれん〈
壬生忠岑〉」
③ 中世以降の烏帽子表面の縮み。しぼ。
しわ‐・む【皺】
[1] 〘自マ四〙
① しわがよる。しわだつ。しわぶ。
※万葉(8C後)九・一七四〇「若かりし
はだも皺
(しわみ)ぬ 黒かりし 髪も白けぬ」
※今昔(1120頃か)一「頭白く面皺み」
② 花や果実などがみずみずしさを失う。しなびる。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
しぼ【皺】
〘名〙
①
漆で塗り固めた烏帽子
(えぼし)の表面につけた寄せじわ。さび。
②
織物の糸の
縒(よ)りの関係から表面にできるでこぼこ。また、紙や
皮革につけられたしわ。
※浮世草子・俗つれづれ(1695)四「就中紙絹にしぼを付る事さのみ力をも入ずして」
しわ‐・める【皺】
〘他マ下一〙 しわ・む 〘他マ下二〙 しわをよせる。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)下「如何と眉を皺めたぞ」
※浮世草子・
懐硯(1687)三「㒵
(かほ)皺面(シハメ)て拝み」
さび【皺】
〘名〙 烏帽子
(えぼし)の表面につけたしわ。しぼ。〔
随筆・貞丈雑記(1784頃)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「皺」の意味・読み・例文・類語
しぼ【×皺】
1 糸の縒り具合で、織物の表面に現れる凹凸。また、紙や皮革などの表面につけたしわ。
2 烏帽子の表面につけたしわ。さび。
しわ【×皺/×皴】
1 皮膚や紙・布などの表面にできる細い筋目。「目じりに―が寄る」「ズボンが―になる」
2 水面にできるさざなみ。「波の―」
[類語]小皺・烏の足跡
さび【×皺】
烏帽子の表面の地質を寄せて漆をかけて装飾としたしわ。しぼ。
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しわ【皺】
皮膚や紙,布の表面に細かいすじが縮みよった状態。皮膚のしわは,表皮の萎縮,真皮内の膠原(こうげん)繊維や弾性繊維の退化・変性,また皮膚の水分や皮下脂肪の減少などによって,皮膚の弾力性がなくなってくるためにできる。生理的には皮膚の老化現象として現れ,年齢とともに著しくなる。一般に,激しく使う部分ほど早くしわができるといわれる。顔では,表情に関係してよく動く部分にできやすい。またしわを生ずる誘因は,外的なものとして太陽光線,寒冷刺激,不適当な化粧品,汚れなどがあげられ,内的なものとして皮膚の血液循環や栄養の不良などがあげられる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報