ひ‐にく【皮肉】
〘名〙
① 皮と肉。転じて、からだ。
※永平道元禅師清規(13C中)弁道法「此是仏祖之皮肉骨髄也」
※羅葡日辞書(1595)「Arvina〈略〉Finicuno
(ヒニクノ) アイニ アル
アブラ」 〔漢書‐西域伝下・渠梨〕
※
随筆・戴恩記(1644頃)下「年老て稽古しがたきゆへ、今に皮肉
(ニク)のあいだにかかづらひ侍るものなり」
③ (形動)
意地のわるい言動。
骨身にこたえるような痛烈な非難。また、遠まわしに
意地悪を言ったりしたりすること。また、そのさま。あてこすり。
※歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)三立「わたしを無理にお前さんの、引っ立てに寄越して、かぶらせようといふ皮肉でござりまする」
※虞美人草(1907)〈
夏目漱石〉一二「何でも
奥歯に物の挟った様な皮肉
(ヒニク)ばかり云ふんですよ」
④ (形動) 思いどおりにならず、都合の悪いこと。
難儀。また、そのさま。「
運命の皮肉」
※
人情本・梅之春(1838‐39)二「
芸者や
幇間に難儀
(ヒニク)をさせるお客なら」
ひにく・る【皮肉】
〘自ラ五(四)〙 (「皮肉」の
動詞化) 皮肉を言う。
※東京年中行事(1911)〈
若月紫蘭〉十一月暦「之に応じて『負けてもいい』と皮肉
(ヒニク)るかと思へば」
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デジタル大辞泉
「皮肉」の意味・読み・例文・類語
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「皮肉」の読み・字形・画数・意味
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