白鼠(読み)しろねずみ

精選版 日本国語大辞典 「白鼠」の意味・読み・例文・類語

しろ‐ねずみ【白鼠】

〘名〙
毛色の白いネズミ。大黒使者といわれ、古来より吉兆とされた。
※続日本紀‐神亀三年(726)正月辛巳「京職献白鼠
③ 主家に忠実な番頭や雇人。主人を大黒に見立て、家来を大黒の使者白鼠にたとえていう。また、鳴き声が「ちゅう」だからともいう。⇔黒鼠
※評判記・野郎虫(1660)花井浅之丞「此人は吉郎兵衛ためには、白ねずみ。大こく殿とや申さん」
④ (「抱朴子‐対俗」の「鼠寿三百歳、満百歳則色白、善憑人而卜、名曰仲、能知一年中吉凶及千里外事」の意から) 身持がよくて福ある者。また、福をもたらす者。福の神。白鼠は福の神の使者で、これが住む家は必ず富み栄えるという俗伝によっていう。
※俳諧・生玉万句(1673)「福は内にと厄払宿〈正行〉 白鼠すめる町義のかね懸て〈常省〉」
染色の名。薄いねずみ色。うすねずみ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「白鼠」の意味・読み・例文・類語

しろ‐ねずみ【白×鼠】

毛が白いネズミ。福の神の大黒だいこくの使者といわれ、古来吉兆とされた。
ドブネズミの飼養白変種。動物実験用。だいこくねずみ。ラッテ
ハツカネズミの飼養白変種。マウス
《福の神の使いで、それがいる家は栄えるからとも、鳴き声が「ちゅう(忠)」であるからともという》主家に忠実に勤める使用人。特に、番頭のこと。⇔黒鼠
「泣いて意見をした―の番頭にしろ」〈荷風・すみだ川〉
染色の名。うすねずみ色。しろねず色。

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