日本大百科全書(ニッポニカ) 「白鳥(香川県)」の意味・わかりやすい解説
白鳥(香川県)
しろとり
香川県東部、大川郡にあった旧町名(白鳥町(ちょう))。現在は東かがわ市の中央から南西部を占める一地区。1955年(昭和30)白鳥本町と白鳥、福栄、五名(ごみょう)の3村が合併して成立。2003年(平成15)引田(ひけた)町、大内(おおち)町と合併し、市制施行して東かがわ市となる。国道11号、318号、377号が通っている。旧白鳥町は、湊(みなと)川の流域にあり、河口の浜堤(ひんてい)上にある中心市街は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀(まつ)る白鳥神社の門前町として発達した。明治中期に還俗(げんぞく)した両児舜礼(ふたごしゅんれい)が大阪からメリヤス手袋の生産技術を伝えてより、手袋製造が発展した。現在は、東かがわ市で全国の生産額の約90%を占め、欧米への輸出も多い。白砂青松の白鳥海岸は瀬戸内海国立公園の一部で、鹿浦越(かぶらごし)には国の天然記念物ランプロファイヤ(煌斑(こうはん)岩)の岩脈がみられる。江戸初期の猪熊(いのくま)邸や讃岐(さぬき)製糖に功のあった向山周慶(さきやましゅうけい)の旧宅などの史跡も多い。
[新見 治]
『『白鳥町史』(1985・白鳥町)』
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