白露の(読み)シラツユノ

デジタル大辞泉 「白露の」の意味・読み・例文・類語

しらつゆ‐の【白露の】

[枕]露が置く意から、また、露が玉をなす意から、「おく」「たま」にかかる。
「―起くとは嘆きとはしのばむ」〈古今・恋一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「白露の」の意味・読み・例文・類語

しらつゆ‐の【白露の】

白露が置くの意で、「おく(置)」と同音、または類音の語にかかる。
(イ) 「起く」にかかる。
※古今(905‐914)恋一・四八六「つれもなき人をやねたくしら露の起くとは歎き寝(ぬ)とはしのばん〈よみ人しらず〉」
(ロ) 「置く」にかかる。
※後撰(951‐953頃)恋二・六一三「かかりける人の心をしらつゆのおけるものとも頼みけるかな〈藤原敦忠〉」
(ハ) 「奥」にかかる。
※後撰(951‐953頃)秋中・二九三「白露の奥にあまたの声すれば花の色々ありと知らなん〈よみ人しらず〉」
(ニ) 「晩稲(おくて)」にかかる。
※続古今(1265)秋下・四五七「しら露のおくて小稲(をしね)うち靡き田中のゐどに秋風ぞ吹く〈藤原実氏〉」
(ホ) 「岡」にかかる。
※続後拾遺(1326)秋上・二七〇「白露の岡辺のすすき初尾花ほのかに靡く時は来にけり〈後二条院〉」
② 白露がすぐに消えてしまうところから、「消ゆ」にかかる。
※新勅撰(1235)恋四・九〇二「目の前にかはる心をしらつゆの消えばともにとなに思ひけむ〈二条院讚岐〉」
③ 白露の玉の意で、「たま」と同音、または同音を含む語にかかる。
※新勅撰(1235)夏・一八二「白露の玉江の芦の宵々に秋風近く行くほたるかな〈道助法親王〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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