出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
白雪糖ともいい、落雁(らくがん)の一種。軟落雁。精白した粳米(うるちまい)粉と糯米(もちごめ)粉を等分にあわせ、これに白砂糖と少量の水を加えて十分にもみ、木箱にふるい落として、ならしてから軽く押して3、4時間置いたのち、取り出して短冊(たんざく)形あるいは算木形に切る。本来はハスの実の粉末を入れたが、これを海藻に、さらにシソの葉の粉末にかえたものが宮城県塩竈(しおがま)市の「しおがま」であり、煎(い)り玄米を混ぜたものが島根県松江市の「菜種の里」である。この菓子と並ぶ「山川(やまかわ)」は紅白だが、着色の場合は砂糖を染めて用いる。また白雪糕に少量の塩を入れ、餡(あん)を包んで型押しすると塩味まんじゅうとなる。さらに白雪糕を木型に押して乾燥させれば口あたりの堅い落雁となる。
[沢 史生]
…和三盆は日本国内産の白砂糖のことで,この菓子は独特の香味をもつ砂糖の和三盆に少量の補助材料を加えて,ごく小型のものにつくられている。なお,今はまったく見られないが,かつては薬菓子として母乳がわりにも使われた白雪糕(はくせつこう)という菓子があった。押物の前身というべきもので,現在と同様,落雁が乾飯(ほしいい)という加熱ずみのαデンプンを用い,砂糖液でこねて押し固めたのに対して,江戸初期から熱処理をしていないβデンプンの米粉を主材料とし,砂糖などと合わせて蒸したものであった。…
※「白雪糕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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