白湯文字(読み)しろゆもじ

精選版 日本国語大辞典 「白湯文字」の意味・読み・例文・類語

しろ‐ゆもじ【白湯文字】

〘名〙
① (「湯文字」は女の腰巻) 白い腰巻。
② (遊女芸者緋縮緬(ひぢりめん)の腰巻を使うのに対して、一般の女性白色のものを使うのがふつうであったところから) 素人淫売婦。のちには官許を得ないで職業化した密淫売婦をいった。上方伊勢能登などの地方でいわれた。私娼。〔随筆・皇都午睡(1850)〕

しろ‐いもじ【白湯文字】

〘名〙 「しろゆもじ(白湯文字)」の変化した語。〔俚言集覧(1797頃)〕

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デジタル大辞泉 「白湯文字」の意味・読み・例文・類語

しろ‐ゆもじ【白湯文字】

《「湯文字」は女性の腰巻きの意。遊女が赤腰巻きをつけたのに対して、一般女性は白腰巻きをつけたところから》近世、素人の女で売春をする者。私娼ししょう

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世界大百科事典(旧版)内の白湯文字の言及

【街娼】より

…他の私娼に比べて取締りは厳しくなかったが,ときに捕らえられて遊廓に強制移住されることがあった。なお,街娼のことを,江戸では夜鷹(よたか),京都では辻君,大坂では惣嫁(そうか)または白湯文字(しろゆもじ)などと呼んだ。また僧形に黒帽子,薄化粧で客を引いた歌比丘尼(うたびくに)や,江戸では小舟に乗って河岸の客を誘った船饅頭(ふなまんじゆう),大坂で停泊船の船員を相手に出没した〈ぴんしょ〉,安芸の大崎下島御手洗(みたらい)の〈おちょろ舟〉などの水上売春婦は,特殊形態の街娼といえよう。…

※「白湯文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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