白洲(読み)シラス

デジタル大辞泉 「白洲」の意味・読み・例文・類語

しらす【白洲】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「白洲」姓の人物
白洲次郎しらすじろう
白洲正子しらすまさこ

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改訂新版 世界大百科事典 「白洲」の意味・わかりやすい解説

白洲 (しらす)

江戸時代法廷。狭義には法廷内の砂利を敷き詰めた庭を指す。出廷者の座席は身分によって異なり,狭義の白洲(砂利ともいう)にむしろを敷いて露座するのは百姓町人浪人等である。御用達町人や由緒ある浪人等は下椽(したえん)(板椽,落椽(おちえん),浪人台)に,武士僧侶神職等は一段高い上椽(うわえん)(畳椽,椽頰(えんがわ),下通(したどおり))に座る。さらに上段の間(上通(うわどおり))を区分して設ける奉行所もあるが,奉行は最上段の座敷に着座した。上椽以上に座る資格のある者を上者(うわもの),下椽,砂利に座るべき者を下者(したもの)という。なお椽から砂利に下りる階段はない。
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百科事典マイペディア 「白洲」の意味・わかりやすい解説

白洲【しらす】

(1)玄関先や庭前などの白い砂を敷いた所。(2)江戸時代,訴訟犯罪等の審理を行う法廷。庭に砂利を敷き詰めていたのでこの名がある。被疑者の百姓・町人・下級浪人はその上にむしろを敷いて座った。御用達町人や高級浪人は下椽(したえん)(板椽,浪人台とも)という板敷に,武士・僧侶・神職は上椽(うわえん)(畳椽,下通りとも)という一段高い所に座った。さらに上段の上通り(うわどおり)に吟味役や書役が座り,奉行は最上段の座敷に着座した。上椽以上は畳敷で,そこに座る者を上者(うわもの),下椽以下に座る者を下者(したもの)と呼んだ。(3)能舞台において舞台と観客席との間をいう。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「白洲」の解説

白洲
しらす

近世の法廷,あるいは法廷で白砂(白砂利)を敷きつめた場所。近世の法廷は一般的に畳敷の上縁,板敷の下縁,白砂の3者から構成された。下方の白砂には,罪人が筵(むしろ)を敷いて座し,上段の上縁に奉行が着座し,その中間に取調べの与力などが座した。江戸の町奉行所では,この法廷全体を御白洲と称したが,大坂町奉行所では法廷のことを公事場(くじば)・裁許場(さいきょば)といい,白洲の語はむしろ白砂利を敷きつめた場所に限定されて用いられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白洲」の意味・わかりやすい解説

白洲
しらす

江戸時代における法廷の別称。この時代の奉行所には,下段に砂利が敷かれた席が設けられていたために,この称が生じた。この席に着座させられた者は,町人,百姓,由緒なき浪人たちであり,いわゆる身分なき人々である。御用商人,由緒ある浪人たちは,これよりもやや上段に属する板縁に座することを許されたが,これとても末席には変りがなかった。板縁,白洲の者を総称する「下者」 (したもの) なる呼称は,これをよく示している。

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デジタル大辞泉プラス 「白洲」の解説

白洲

福岡県北九州市小倉北区の沖、藍島の西約2kmに位置する白砂の岩礁。明治期に建設され、日本の灯台50選にも選ばれている「白州灯台」がある。

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