白帝城(読み)はくていじょう

精選版 日本国語大辞典 「白帝城」の意味・読み・例文・類語

はくてい‐じょう ‥ジャウ【白帝城】

[一] 中国四川省東端、奉節県の東の揚子江北岸にあった城。三峡の最上流である瞿塘(くとう)峡にのぞむ要害で、前漢末の戦乱に蜀を本拠とした公孫述築城三国時代に蜀の劉備が呉に敗れて崩じた所。
[二] 愛知県犬山市にある犬山城別名

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デジタル大辞泉 「白帝城」の意味・読み・例文・類語

はくてい‐じょう〔‐ジヤウ〕【白帝城】

中国、重慶市の北東部、揚子江の北岸、白帝山上にあった城。前漢末に築かれ、蜀漢昭烈帝劉備りゅうび)が崩じた所。
犬山城異称

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改訂新版 世界大百科事典 「白帝城」の意味・わかりやすい解説

白帝城 (はくていじょう)
Bái dì chéng

中国,四川省の東,湖北省界に近い地名王莽おうもう)のとき,この地の井戸から白竜の出るのを見,公孫述(?-36)が漢の土徳をつぐと称して白帝を名のり,城を築いたのが始まりという。三国蜀の劉備は,呉を討つためみずから遠征したが,敗れて白帝城に退き名を永安と改め,この地で没した。近くに孔明八陣図の跡もある。またいわゆる蜀の三峡の西の入口である瞿唐峡(くとうきよう)がすぐ東にある。李白杜甫の詩にも歌われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白帝城」の意味・わかりやすい解説

白帝城
はくていじょう
Bai-di-cheng; Pai-ti-ch`êng

中国,チョンチン (重慶) 直轄市,奉節県の東に位置する町。チャン (長) 江三峡の1つチュイタン (瞿塘) 峡にのぞむ景勝の地で,地名は,前漢末にこの地に拠った公孫述が,井中より白竜を得たという伝説に由来するといわれ,また一説では,公孫述が,みずからを白帝と称したことによるともいわれる。四川平野東部の咽喉部を扼する要害の地であるため,古くから軍事上の要地として重視され,三国時代には蜀がここに築城したが,呉の勢力に敗れた。また,李白や,杜甫の詩によっても知られる。

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百科事典マイペディア 「白帝城」の意味・わかりやすい解説

白帝城【はくていじょう】

中国,四川省東部,湖南省界に近い地名。揚子江北岸に臨む。前漢のとき,公孫述〔?-36年〕が城を築き,白帝城と名付けたことによる。三国時代蜀と呉の激戦地。李白の〈早発白帝城〉の詩で有名な景勝地。

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日本の城がわかる事典 「白帝城」の解説

はくていじょう【白帝城】

⇒犬山城(いぬやまじょう)

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