白い屋形船(読み)シロイヤカタブネ

デジタル大辞泉 「白い屋形船」の意味・読み・例文・類語

しろいやかたぶね【白い屋形船】

上林暁短編小説。また、同作を表題作とする作品集。作品集は昭和39年(1964)刊行で、第16回読売文学賞小説賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白い屋形船」の意味・わかりやすい解説

白い屋形船
しろいやかたぶね

上林暁(かんばやしあかつき)の小説。1963年(昭和38)8月『新潮』に発表。64年講談社刊の同名の創作集に収録。62年の11月に第2回目の脳溢血(のういっけつ)で倒れて入院したときに、脳裏に浮かんだり、夢にみたりしたもののなかの、とくに確かな記憶のみを口述によって筆録した作品で、普通人には理解しがたいようなところもあるが、異常な情況における人間の心の内奥を語った作品として、きわめてユニークである。なお題名は、「死ぬ時には白い船が迎へに来る」という、「郷里」の「言ひ伝へ」によっている。

[大森澄雄]

『『増補・改訂 上林暁全集12』(1978・筑摩書房)』

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