精選版 日本国語大辞典 「発」の意味・読み・例文・類語
はっ‐・する【発】
[1] 〘自サ変〙 はっ・す 〘自サ変〙
① 物事が起こり生じる。
※日葡辞書(1603‐04)「ニヲイガ fassuru(ハッスル)」
※古活字本毛詩抄(17C前)九「誠の心が心中に発するぞ」
② あらわれ出る。出現する。あらわれる。
※音曲声出口伝(1419)「毛詩云、情発二於声一、声成レ文」
※日葡辞書(1603‐04)「イエアリガ fassuru(ハッスル)」
③ 出て行く。外へ出かける。出発する。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二二「黄昏ネエプルを発(ハッ)してモラデガエタに赴く」
[2] 〘他サ変〙 はっ・す 〘他サ変〙
① 物事を引き起こす。物事をはじめる。生じさせる。
※高野本平家(13C前)三「虞公歌を発(ハッ)せしかば、梁塵うごきうごく」
※随筆・胆大小心録(1808)三二「兄狂を発して母を斧にて打ち殺す」
② あらわし出す。気持や考えなどをおおやけにする。または、ことばを口に出す。発表する。
※太平記(14C後)二九「変化時に応じて敵の為に気を発(ハッ)する処は」
※日葡辞書(1603‐04)「イカリヲ fassuru(ハッスル)」
③ 放つ。矢や弾丸などを放つ。勢いよく物を出す。
※前田本枕(10C終)一三八「久しうありてはっしたる矢の」
④ つかわす。使者などをさしむける。通知や手紙などをさし出す。
※史記抄(1477)八「聴受して兵を発するぞ」
⑤ ひらく。また、あばく。
※日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二「凶年饑歳に倉庫を発して流民を救ふことは」
はつ【発】
[1] 〘名〙 出発すること。発車すること。また、通信などを発すること。時刻や場所を示す語に付けて用いる。
※朝野新聞‐明治八年(1875)六月二七日「海外新報〈略〉五月十三日ロンドン発」
※花ごもり(1894)〈樋口一葉〉七「上野発の汽車にて」
[2] 〘接尾〙 弾丸などの発射を数えるのに用いる。上にくる語によっては「ぱつ」となる。
はっ‐・す【発】
〘自他サ変〙 ⇒はっする(発)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報