痰切豆(読み)たんきりまめ

精選版 日本国語大辞典 「痰切豆」の意味・読み・例文・類語

たんきり‐まめ【痰切豆】

〘名〙
マメ科のつる性多年草。関東以西の各地、朝鮮、中国、フィリピン山野に生える。全体褐色の軟毛を密布。つるは長く伸びて他物にからむ。葉は三小葉からなり、各小葉は倒卵状菱形で中央部から先が最も幅広く長さ三~五センチメートル。夏、葉腋から短い花柄を出し、黄色い蝶形花を一〇~二〇個つける。莢(さや)は扁平で赤く熟し長さ約一・五センチメートルではじけて二個の黒色種子を出す。豆を煎じて飲むと痰の切れがよくなるというところからこの名がある。漢名、穭豆、鹿蕾。
※俳諧・千宜理記(1675)三「歌読のたんきり豆やけふの月〈貞因〉」
植物つるまめ(蔓豆)」の異名。〔物品識名(1809)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「痰切豆」の意味・読み・例文・類語

たんきり‐まめ【×痰切豆】

マメ科の蔓性つるせいの多年草。暖地の山野にみられ、全体に褐色の毛がある。葉は3枚の小葉からなる複葉。夏、黄色い蝶形花をつけ、秋にさやが赤く熟すと2個の黒い種子を出す。種子をせんじて痰を切る民間薬にする。外郎豆ういろうまめ巾着豆きんちゃくまめ。きつねまめ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「痰切豆」の解説

痰切豆 (タンキリマメ)

学名Rhynchosia volubilis
植物。マメ科のつる性多年草

痰切豆 (タンキリマメ)

植物。マメ科のつる性一年草。ツルマメ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android