痛風治療剤(読み)ツウフウチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「痛風治療剤」の解説

痛風治療剤

痛風治療剤とは


 体内で発生する尿酸の量がとくに多かったり、尿酸を排泄はいせつするはたらきが低下すると、血液中の尿酸の量が増えてきます(高尿酸血症こうにょうさんけっしょう)。この状態が続くと尿酸が関節内にたまり、痛風、じん障害、狭心症などをおこします。


 痛風発作の予防・鎮痛には、コルヒチン製剤ブコローム製剤が使われます。高尿酸血症の治療には、まず尿酸の排泄量を増やす尿酸排泄促進剤にょうさんはいせつそくしんざいが用いられ、効果がなければ、体内でつくられる尿酸の量を減らす尿酸生成抑制剤にょうさんせいせいよくせいざいが使われます。これらの薬は、生涯使用し続ける必要があります。また、尿酸排泄促進剤を服用すると、排泄される尿酸の量は増えますが、尿酸が固まって腎結石ができやすくなるので、尿をアルカリ性に保つ尿アルカリ剤を併用します。


コルヒチン製剤


ブコローム製剤


プロベネシド系尿酸排泄促進剤


ベンズブロマロン系製剤


アロプリノール系製剤


尿アルカリ剤


トピロキソスタット製剤


フェブキソスタット製剤

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「痛風治療剤」の意味・わかりやすい解説

痛風治療剤
つうふうちりょうやく

痛風は体内で尿酸が異常に生成し,おもに足指関節などに蓄積して強い痛みを発する疾患である。治療薬としては,尿酸排泄を促す薬物と,その生成を抑制する薬物,抗発作薬などがある。尿酸排泄薬には,腎臓尿細管からの尿酸塩の再吸収を阻害し尿中への排泄を促進するプロベネシド,ベンズブロマロン,消炎鎮痛作用ももつスルフィンピラゾンなどがある。体内での尿酸生成を抑制し血中の尿酸値を減少させる薬剤として,アロプリノールがある。尿酸の蓄積を抑える作用があり,発作を予防,軽減するコルヒチンは,ユリ科植物から得られるアルカロイドで,胃腸刺激による急性中毒症状や血液障害,臓器障害が起ることもある。

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栄養・生化学辞典 「痛風治療剤」の解説

痛風治療剤

 →尿酸排泄剤

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