痘痕(読み)イモ

デジタル大辞泉 「痘痕」の意味・読み・例文・類語

いも【痘痕】

《「いもがさ」の略》
痘瘡とうそう天然痘
「笑ひ盛りなる緑子みどりごを…あらあらしき―の神に見込まれつつ」〈おらが春
痘瘡のあと。あばた。
「ちっとべい―はあるがと村仲人」〈柳多留・五〉

あばた【痘痕】

《〈梵〉arbudaの音写皮膚水疱すいほうの意》痘瘡とうそうが治ったあとの皮膚に残る小さなくぼみ。じゃんこ。

とう‐こん【痘痕】

痘瘡とうそうのあと。あばた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「痘痕」の意味・読み・例文・類語

あばた【痘痕】

〘名〙 天然痘がなおったあと、顔面に残る発疹の跡。また、そのような形状のもの。いも。じゃんこ。みっちゃ。
俳諧・炭俵(1694)下「夏草のぶとにさされてやつれけり〈其角〉 あばたといへば小僧いやがる〈孤屋〉」
滑稽本浮世床(1813‐23)二「大粒な痘痕(アバタ)があるけれど、上塗工数(くかず)がかかったから見えねへ」

いも‐くし【痘痕】

〘名〙 (「いも」は天然痘、また、その治った跡。「くし」も同意という) あばた。
※俳諧・継尾集(1692)四「小屑灰(コズばひ)歯黒の皿を突すへて〈如行〉 いもくしの名を立るいさかひ〈支考〉」

とう‐こん【痘痕】

〘名〙 痘瘡(とうそう)のあと。あばた。いも。
東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「頬辺の痘痕も掩ふ可からず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「痘痕」の読み・字形・画数・意味

【痘痕】とうこん

あばた。

字通「痘」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android