痂・悴(読み)かせる

精選版 日本国語大辞典 「痂・悴」の意味・読み・例文・類語

か・せる【痂・悴】

〘自サ下一〙 か・す 〘自サ下二〙
① ひからびる。また、おできや傷の表面がかわく。
筑波問答(1357‐72頃)「次第に詞もかせ心も失せて、すべてあがる事のなきなり」
② (悴) やせこける。やつれる。また、貧しくなる。
※玉塵抄(1563)一九「かせつかれて骨と皮ばかりの馬は」
③ かぶれる。
※改正増補和英語林集成(1886)「ウルシ ニ kaseru(カセル)

かせ【痂・悴】

[1] (動詞「かせる(痂)」の連用形名詞化) はれものが乾いて、かさぶたになったもの。〔医案類語(1774)〕
[2] 〘接頭〙 (悴) やせた、貧しいの意にいう。また、自分に関わるものをへりくだって言う。「かせくび(悴首)」「かせざむらい(悴侍)」「かせじょたい(悴所帯)」など。
三国伝記(1407‐46頃か)一一「此の年月かせ奉公をもしつらめ」
[語誌](二)は、室町時代から江戸前期にかけて用いられた。江戸時代に入ると、動詞「かせる」は「や(痩)せる」に吸収されていき、それとともに、接頭語「かせ」もまた、「やせ」に吸収されていく。

か・す【痂・悴】

〘自サ下二〙 ⇒かせる(痂)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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