異損(読み)イソン

デジタル大辞泉 「異損」の意味・読み・例文・類語

い‐そん【異損】

平安時代作物病虫害などのために、田地収穫例年より10分の3以上減少することをいった語。→例損れいそん

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精選版 日本国語大辞典 「異損」の意味・読み・例文・類語

い‐そん【異損】

〘名〙 平安時代、天災などのために田地の収穫が異常に減少し、予定収穫高の三割以上減収すること。三割以内の減収を表わす例損に対する語。
日本紀略‐延長七年(929)九月九日「依異損節会

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世界大百科事典(旧版)内の異損の言及

【損田法】より

…したがって被災国の口分田収納田租は,全得田戸の田積と損4分以下戸の得田積からの租ということになる。(2)損戸処分法 704年(慶雲1),706年には,被害不熟で〈調庸を免除すべき者〉(損7分以上の戸)について,49戸以下は国司処分(例損),50戸以上は太政官処分,300戸以上は奏聞(以上異損),その太政官への言上は9月30日以前とする処分法が制せられた。その国司処分については802年(延暦21)に,国の大小により,大国49戸以下,上国39戸以下,中国29戸以下,下国19戸以下とする処分戸数の差が設けられた。…

※「異損」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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