い‐たい【異体】
〘名〙
※
歌行燈(1910)〈
泉鏡花〉六「霜げた冬瓜
(とうがん)に
草鞋(わらぢ)を
打着(ぶちつ)けた、と言ふ異体
(イタイ)な面
(つら)を」
② 別な形体、様子。
※
神道集(1358頃)二「我等三人異躰事、即法躰俗躰女躰形是」 〔荀子‐富国〕
い‐てい【異体】
〘名〙 (形動) 普通とは違う風変わりなさま。異様。いたい。
※中右記‐天永三年(1112)一二月二九日「今日内裏中院有二放火事一、〈略〉誠是希有異体事也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「異体」の意味・読み・例文・類語
い‐たい【異体】
[名・形動]
1 形や体裁が普通と違うこと。また、そのさま。異風。いてい。「異体な姿」
2 別のからだ。「雌雄異体」
3 「異体字」の略。
い‐てい【異体】
[名・形動ナリ]普通とは違った風変わりなようすや姿。いたい。
「希有―の乱僧の所言なり」〈正法眼蔵随聞記・二〉
「―ナカタチ」〈日葡〉
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世界大百科事典(旧版)内の異体の言及
【文字】より
…言語を視覚的に表す記号の体系をいう。
【音声言語と文字言語】
言語行動には,音声を素材とする〈音声言語行動〉と,文字を素材とする〈文字言語行動〉とがある。古くは,両者は十分に区別して考察されることがなかったが,両者の差異がしだいに明らかにされてからは,一般に言語あるいは言語行動という場合には主として音声言語ないしは音声言語行動をさしていうのが普通で,文字を媒介として成立する文字言語(行動)は言語の研究において第二義的な位置が与えられてきた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」