画像塼(読み)ガゾウセン

デジタル大辞泉 「画像塼」の意味・読み・例文・類語

がぞう‐せん〔グワザウ‐〕【画像×塼】

模様図象を線刻、浮き彫りまたは型押しした煉瓦れんが中国では六朝時代、朝鮮では三国時代日本では飛鳥天平時代に盛行した。

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精選版 日本国語大辞典 「画像塼」の意味・読み・例文・類語

がぞう‐せん グヮザウ‥【画像塼】

〘名〙 画像のある塼(れんが一種)。中国漢代以後、宮殿仏殿陵墓城壁などに用いられた。文字人物動植物幾何学文などがあり、朝鮮三国時代、新羅統一時代にも多用され、日本では奈良県明日香村にある岡寺の天人塼、高取町にある南法華寺の鳳凰塼などが有名。

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世界大百科事典(旧版)内の画像塼の言及

【画像石】より

…画題,表現様式,技法にはこれらの地方において差がある。 画像石に類するものに画像塼がある。これは画像,文様を細泥でつくられた塼の表面にスタンプしたり,型づくりしたもので,戦国時代末期から前漢代初期にかけての空心塼からはじまって,六朝時代の文様塼にいたるまである。…

【塼】より

…戦国時代の列国の宮殿址では,塼が多用されており,床敷きや排水溝に用いられている。秦・漢時代になると方塼,長方塼,空心塼,子母塼,楔形塼,画像塼など塼の基本形が出そろう。方塼は正方形の板状を呈し,表面に文様を型押しする場合が多い。…

【煉瓦】より

煉瓦造建築【桐敷 真次郎】
[中国]
 中国では煉瓦を塼(せん)と称し,その歴史は古く,日乾煉瓦は殷代の出土遺物があるほか,西周時代の文献に甓(へき)の名で見える。焼成した塼は戦国時代の宮殿に用いられており,漢代には数多くの塼造アーチ構造の墓が築かれ,その形状も中空の空心塼,床面に敷く文様を施した花塼,壁面を飾る大型の画像塼,(ほぞ)をつくり出した子母塼など多彩な類型が現れる。北宋時代の建築技術書には通常の形状のほか,小口を斜面につくる城壁用,アーチ用の楔形などの規格があり,用途も基壇積み,床面敷設,壁,階段,屋外通路の舗装,水路などの多岐にわたっている。…

※「画像塼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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