男(漢字)

普及版 字通 「男(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ダン
[字訓] おとこ・きみ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
田+力。力は耒(すき)の象形。田と農具の耒(力)とを組み合わせて、耕作のことを示す。男はもとその管理者をいう語で、のち五等の爵号の一となった。〔説文〕十三下に「夫なり。田に從ひ、力に從ふ。男は力を田に用ふるを言ふなり」とするが、力は筋力の意ではない。周初の金文令彝(れいい)〕に「侯、侯・田・男に四方の命を舍(お)く」とあって、男は外服諸侯の一であり、農地の管理者をいう。男女を連称することは、列国期に至ってみえる。〔詩、小雅、斯干(しかん)〕は室寿(むろほ)ぎの歌で、男女の出生のことを歌う。詩では、男女は士女と対称するのが普通であった。金文では男を一夫・二夫のように数え、これが農夫の称で、これを統轄するものを大夫という。

[訓義]
1. おとこ、おとこのこ、むすこ、わかもの。
2. 五等の爵の一、きみ。
3. 任と通じ、になう。

[古辞書の訓]
名義抄〕男 ヲノコ・ヲノコゴ・ヲ

[部首]
〔説文〕に部首とし、舅・甥の二字を属し、〔玉〕に嬲(じよう)の字を加える。嬲は(じょう)の俗字で、仏典に用いられ、〔隋書経籍志〕にその字がみえる。

[語系]
男nm、農numは声近く、男とは農の管理者をいう。西周金文には「五夫」「衆一夫」「臣一夫」「人五夫」のようにいい、「男一人」のようにいう例はない。

[熟語]
男陰男君男覡・男根・男子男贄男児男爵男戎・男女男妾男娼・男色男飾・男男丁・男弟男巫・男服
[下接語]
貴男・宜男・次男庶男・成男・善男・息男・多男・嫡男・長男・丁男・童男・美男・百男

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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