甲状腺の位置

六訂版 家庭医学大全科 「甲状腺の位置」の解説

甲状腺の位置
(内分泌系とビタミンの病気)

 甲状腺という名前は、西洋(たて)のような形をしていることに由来しています。ちょうど蝶が羽を広げたような形をしていて、蝶の羽にあたる部分は右葉(うよう)左葉(さよう)と呼ばれ、胴体にあたる部分は峡部(きょうぶ)と呼ばれます(図1)。

 峡部は靭帯(じんたい)気管前面に固定されていて、左葉と右葉が気管を取り囲んでいます。甲状腺は首の前にありますが、男性と女性では位置が違い、男性のほうが女性より低い位置にあります。

 男性の半数くらいでは、甲状腺の位置が低く胸骨の下に入ってしまっていて、首に触っただけではわかりません。その時は嚥下(えんげ)運動をしてもらうと、気管といっしょに甲状腺が上がるので指で甲状腺を触れるようになり、甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)が見つかることがあります。

 医師が首の診察をしている時に、患者さんにつばを飲んでくださいとお願いすることがありますが、それにはこのようなわけがあるのです。ちなみに、正常な大きさの甲状腺は外からは触れませんし、見えることもありません。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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