甲斐村(読み)かいむら

日本歴史地名大系 「甲斐村」の解説

甲斐村
かいむら

[現在地名]鈴鹿市甲斐町

神戸かんべ城下西方、鈴鹿川南岸の沖積平野にあり、整然とした条里制集落である。対岸には上野うえの村がある。東の河曲かわわ郡界に近く、かつ西南岡田おかだ村とともに、両村所在の式内社が「延喜式」には河曲郡のなかに記されていることもあって、古代は河曲郡に属していたともいわれる(五鈴遺響)。「吾妻鏡」文治三年(一一八七)四月二九日の条に「粥安冨名 岡部六野太」とある粥はこの村のこととされ、六弥太は一ノ谷合戦に、平家方の薩摩守忠度を討取った恩賞にこの地を与えられ、その墓が村の東の「藤の森」にあったという(勢陽雑記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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