田村 高広(読み)タムラ タカヒロ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「田村 高広」の解説

田村 高広
タムラ タカヒロ


職業
俳優

生年月日
昭和3年 8月31日

出生地
京都府 京都市右京区太秦

学歴
同志社大学経済学部〔昭和27年〕卒

経歴
俳優・阪東妻三郎の長男に生まれる。昭和27年同志社大経済学部を卒業後して商社に就職するが、28年父が急逝すると周囲に強く勧められ映画俳優に転身松竹に入社。29年木下恵介監督の「女の園」でデビュー。以来「二十四の瞳」「遠い雲」などの木下作品で好青年を演じ、特に「二十四の瞳」では教え子の一人で戦争により視力を失った磯吉役で高い評価を得た。38年フリー。40年「兵隊やくざ」では勝新太郎演じる無知で無頼な新兵に対して、社会に背を向けたインテリ上等兵好演、名コンビぶりが評判を呼び計9作が作られるヒットシリーズとなり、同作でブルーリボン助演男優賞も受賞。豪放な時代劇スターだった父とは対照的に、現代劇に多く出演し、誠実な人柄がにじむ知的な演技派俳優として活躍した。2人の弟、田村正和田村亮も俳優として活躍、平成2年テレビドラマ「勝海舟」では三兄弟で共演。14年には父の没後50周年の特別番組で、会社社長を務める二男を含めた四兄弟での出演が実現し、話題を呼んだ。9〜11年司馬遼太郎の紀行エッセイを映像化したNHKスペシャル「街道をゆく」の朗読を担当。3年紫綬褒章、11年勲四等旭日小綬章。19年公開の映画「The焼肉ムービー プルコギ」が遺作となった。他の出演作に映画「空ゆかば」「笛吹川」「清作の妻」「愛の亡霊」「天平の甍」「海と毒薬」「春駒のうた」「イタズ 熊」「秘祭」「忠臣蔵外伝四谷怪談」、テレビ「赤穂浪士」「太閤記」「春の坂道」「助け人走る」「花神」「怒れ!求馬」「おばあちゃま、壊れちゃったの?」「ホームドラマ!」「ファイト」、舞台「香華」「華岡青洲の妻」など。著書に父のことを語った「剣戟王阪妻の素顔」がある。

受賞
芸術選奨文部大臣賞(第38回 昭62年度)〔昭和63年〕「イタズ 熊」 紫綬褒章〔平成3年〕,勲四等旭日小綬章〔平成11年〕 国民映画新人男優賞〔昭和30年〕,京都市民映画祭助演賞〔昭和40年〕,ホワイトブロンズ助演賞〔昭和41年〕,ブルーリボン賞助演男優賞(昭40年度)「兵隊やくざ」,日本映画復興賞特別賞(第4回)〔昭和62年〕,菊田一夫演劇賞(第14回)〔平成1年〕,日本映画批評家大賞〔平成13年〕 毎日映画コンクール男優演技賞(昭56年度)「泥の河」

没年月日
平成18年 5月16日 (2006年)

家族
父=阪東 妻三郎(俳優),弟=田村 正和(俳優),田村 亮(俳優)

伝記
田村高廣の想い出―日本人への遺言二世論 渡辺 一雄 著船曳 建夫 著(発行元 ビジネス社新潮社 ’06’03発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

367日誕生日大事典 「田村 高広」の解説

田村 高広 (たむら たかひろ)

生年月日:1928年8月31日
昭和時代;平成時代の俳優
2006年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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