生絹(読み)スズシ

デジタル大辞泉 「生絹」の意味・読み・例文・類語

すずし【生絹】

まだ練らないままの絹糸生糸きいと
きぎぬ」に同じ。
「黄なる―の単衣ひとへ薄色なる着たる人の」〈蜻蛉

き‐ぎぬ【生絹】

生糸で織った練られていない絹織物。すずし。→練り絹

せい‐けん【生絹】

精練してない絹。また、それで織った織物。きぎぬ。すずし。

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精選版 日本国語大辞典 「生絹」の意味・読み・例文・類語

すずし【生絹】

〘名〙 (古くは「すすし」)
① 「すずし(生絹)の糸」の略。〔書言字考節用集(1717)〕
② 「すずし(生絹)の衣」など、生絹の織物の略。
落窪(10C後)三「白きすすしの御ひとへ、うす物の直衣を著て」
浮世草子好色一代男(1682)三「すすしの腰絹をさせて、しろきはだへ黒き所までも見すかして」

せい‐けん【生絹】

〘名〙 練っていない絹。また、それで織った織物。きぎぬ。しょうけん。
※六如庵詩鈔‐二編(1797)二・白雲山寺邀維明禅師師善画「唯待吾師并剪手、生絹断取半山秋」 〔画史

き‐ぎぬ【生絹】

〘名〙 生糸で織った絹布。練られていない絹織物。〔書言字考節用集(1717)〕

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普及版 字通 「生絹」の読み・字形・画数・意味

【生絹】せいけん

きぎぬ。

字通「生」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の生絹の言及

【平絹】より

…後練絹織物。生糸を経緯に使って平織したものを生絹(きぎぬ)といい,これを精練したものを平絹,練平絹,地絹と呼ぶ。片羽二重よりも品質の落ちる生糸を密度をあらく織ったもの。…

【有職織物】より

… 平織では絹,絁(あしぎぬ),縑(かとり),練緯(ねりぬき),精好(せいごう)などが挙げられ,絹は上質の生糸を用いて織ったもの,絁は絹よりやや質の落ちる太細のある糸で織ったもの,縑は上質の生糸を精密に固く織ったものとされている。以上は経緯とも生糸で織り,生絹(すずし)と呼ばれてそのまま使うか,それを練って練絹として用いる。練緯は経に生糸,緯に練糸を用いた薄手で艶のあるもの,精好は経緯ともに生糸,または経に練糸,緯に生糸を用い,経を密にし,緯を太くした精緻なもの。…

※「生絹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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