生理的食塩水(読み)せいりてきしょくえんすい

精選版 日本国語大辞典 「生理的食塩水」の意味・読み・例文・類語

せいりてき‐しょくえんすい【生理的食塩水】

〘名〙 体液、特に血清浸透性を等しくした等張食塩水。人では濃度約〇・九パーセントの食塩水で、輸血補液目的で用いるほか各種注射の基剤とする。動物では体液の代用として生理学的実験などに使う。日本薬局方名は生理食塩液。略して生食ともいう。生理溶液。→リンゲル液
※海と毒薬(1957)〈遠藤周作〉一「普通、血液に代用される生理的食塩水は」

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百科事典マイペディア 「生理的食塩水」の意味・わかりやすい解説

生理的食塩水【せいりてきしょくえんすい】

外に取り出した生物器官組織を,しばらくの間生かしておくための塩化ナトリウム溶液。体内でそれらの器官を取り巻く体液と等浸透圧になるよう調製されており,カエルで0.7%,哺乳(ほにゅう)類では0.9%くらいのものが用いられる。より長く生存させるためには,これに塩化カリウム塩化カルシウム塩化マグネシウム,さらに炭酸水素ナトリウムなどの緩衝剤やブドウ糖を添加した各種の生理的塩類溶液や培養液が用いられる。代表的なものにリンゲル液ロック液など。→浸透圧

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栄養・生化学辞典 「生理的食塩水」の解説

生理的食塩水

 等張の食塩液で,補液や注射剤溶媒として用いられる.濃度は,塩化ナトリウム9g/l

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世界大百科事典(旧版)内の生理的食塩水の言及

【生理食塩水】より

…最も組成が簡単で,血漿と浸透圧の等しい溶液。生理的食塩水ともいう。蒸留水1000ml中食塩(塩化ナトリウム)9gを含む。…

※「生理的食塩水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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