生殺(読み)セイサツ

デジタル大辞泉 「生殺」の意味・読み・例文・類語

せい‐さつ【生殺】

生かすことと殺すこと。活殺
[類語]生死せいし生死しょうじ死生死命死活活殺生き死に

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生殺」の意味・読み・例文・類語

なま‐ごろし【生殺】

〘名〙 (「なまころし」とも。「なま」は接頭語)
① ほとんど死ぬぐらいに痛めつけること。半殺し
源平盛衰記(14C前)二二「死ぬる程に打ち成して、生(ナ)ま殺(コロシ)にして、はいありかせよ」
決着をつけないで中途はんぱのまま相手を苦しめておくこと。またはっきりさせないで相手がいらだっている状態のままほうっておくこと。
洒落本・郭中掃除雑編(1777)「ぐんぜなしでありんしょよ、あのやうに人をなまごろしにしなんすもの」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「ふるでもなくふらぬでもなく、生殺(ナマゴロ)しにされるだけに」

いけ‐ころし【生殺】

〘名〙 (「いけ」は生かすの意から転じて強めること。「ころし」は弱めること) 歌舞伎で、役者演技やその他舞台の進行状況にあわせて、下座(げざ)音楽を強めたり弱めたりすること。また、一般三味線音楽の場合にもいい、せりふ抑揚強弱をもいう。いきころし。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)中幕「トやはりいけころしのてんつつにて、此せりふ」

せい‐さつ【生殺】

〘名〙 生かすことと殺すこと。活殺。
※本朝文粋(1060頃)四・貞信公辞摂政准三宮等表〈大江朝綱〉「春秋生殺之令。決叡慮而撫民」
※明治月刊(1868)〈大阪府編〉一「生殺を恣にして民を靡爛するに至る憂有り」 〔後漢書‐章帝紀〕

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普及版 字通 「生殺」の読み・字形・画数・意味

【生殺】せいさつ

生かすか殺すか、その決定権。〔韓非子、八説〕今、生大臣に在りて、而も令行はるるを得るは、未だ嘗(かつ)てらざるなり。

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