生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(読み)せいしょくせんしげきほるもんほうしゅつほるもん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン
せいしょくせんしげきほるもんほうしゅつほるもん

視床下部の神経細胞でつくられるホルモンで、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH:gonadotropin releasing hormone)ともよばれる。なお、医学では性腺刺激ホルモン放出ホルモンの表現が多い。生殖腺刺激ホルモンには黄体形成ホルモン(LH)と濾胞(ろほう)(卵胞)刺激ホルモン(FSH)とがあるが、GnRHには前葉からこのどちらの分泌をも促進させる働きがある。このため、GnRHをLRH/FRH(LH releasing hormone/FSH releasing hormoneの略)と表記することもある。

 GnRHは視床下部の主として弓状核の神経細胞でつくられ、軸索を通って正中隆起部に達し、軸索終末から下垂体門脈に入り、前葉に達して前記の作用をすると考えられている。化学構造も、10個のアミノ酸からなるペプチドであることがわかっている。GnRHの前駆体中にはGAP(GnRH associated peptide)とよばれる、プロラクチン分泌抑制作用をもつペプチドが含まれている。

[菊山 栄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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