生島治郎(読み)イクシマジロウ

デジタル大辞泉 「生島治郎」の意味・読み・例文・類語

いくしま‐じろう〔‐ヂラウ〕【生島治郎】

[1933~2003]小説家中国上海の生まれ。本名、小泉太郎。ミステリー雑誌の編集長を経て、本格的なハードボイルド小説を日本文壇確立させた。「追いつめる」で直木賞受賞。他に「傷痕の街」「兇悪の門」「片翼だけの天使」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生島治郎」の意味・わかりやすい解説

生島治郎
いくしまじろう
(1933―2003)

推理作家。本名小泉太郎。上海(シャンハイ)生まれ。早稲田(わせだ)大学文学部卒業。翻訳ミステリーの編集者を経て、1964年(昭和39)処女長編『傷痕の街(しょうこんのまち)』を発表して作家生活に入る。1967年、暴力組織と対決する元刑事の執念を描く『追いつめる』で直木賞を受賞。その続編『あの墓を掘れ』や、私立探偵ものの連作『報酬か死か』などの作品で和製ハードボイルドの確立を提唱する作家の一人である。ミステリー以外にも私小説風の作品『片翼だけの天使』(1984)五部作がある。

厚木 淳]

『『傷痕の街』『追いつめる』『あの墓を掘れ』『片翼だけの天使』(集英社文庫)』『『報酬か死か』(徳間文庫)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「生島治郎」の解説

生島治郎 いくしま-じろう

1933-2003 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和8年1月25日中国上海(シヤンハイ)生まれ。早川書房にはいり,翻訳ミステリー雑誌の編集長をつとめる。昭和39年「傷痕の街」を発表,作家生活にはいる。42年「追いつめる」で直木賞。日本におけるハードボイルド-ミステリーの草分けといわれた。平成1-5年日本推理作家協会理事長。平成15年3月3日死去。70歳。早大卒。本名は小泉太郎。作品はほかに「黄土奔流」「片翼だけの天使」など。

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