生れ出づる悩み(読み)うまれいずるなやみ

精選版 日本国語大辞典 「生れ出づる悩み」の意味・読み・例文・類語

うまれいずるなやみ うまれいづるなやみ【生れ出づる悩み】

小説有島武郎作。大正七年(一九一八発表画家志望青年自己犠牲にして生活苦と苦闘する姿を描く。作者自分感情移入した作品といわれ、主人公実在人物モデル

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デジタル大辞泉 「生れ出づる悩み」の意味・読み・例文・類語

うまれいずるなやみ〔うまれいづるなやみ〕【生れ出づる悩み】

有島武郎短編小説。大正7年(1918)発表。北海道出身の漁夫画家、木田金次郎をモデルとした作品。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生れ出づる悩み」の意味・わかりやすい解説

生れ出づる悩み
うまれいずるなやみ

有島武郎(たけお)の短編小説。1918年(大正7)3月から4月まで『大阪毎日新聞』『東京日日新聞』に連載。加筆して、9月『有島武郎著作集』第6集に、『石にひしがれた雑草』とあわせて叢文閣(そうぶんかく)より刊行。北海道岩内(いわない)で漁師をしながら、画家になる志望を捨てず、家業と自己の表現欲との相克に悩む青年を、語り手の聞き書きによって描いた作品。主人公木本は、実在の画家木田金次郎をモデルにするが、作者の意図は、彼に感情移入して、自らの芸術的衝動のありようを対象化するところにあった。

[山田俊治]

『『生れ出づる悩み』(旺文社文庫・角川文庫・講談社文庫)』『山田昭夫著『有島武郎の世界』(1978・北海道新聞社)』

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