理運・利運(読み)りうん

精選版 日本国語大辞典 「理運・利運」の意味・読み・例文・類語

り‐うん【理運・利運】

〘名〙
道理にかなっていること。特に、裁判で勝訴するに足る法的根拠をもつこと。
※小右記‐天元五年(982)二月四日「維敏可有追捕者、為貞盛子頗揚名、其理運相当」
平家(13C前)一「今度山門の御訴訟、理運の条勿論に候」
② (形動) 道理にかなっためぐり合わせ。当然出会うべき運。また、そういう運にあうさま。
※将門記(940頃か)「幸ひに理運の遺風に遇て」 〔任昉‐為武帝追封丞相長沙王詔〕
③ 戦いでの、よいめぐりあわせ。勝利を得る幸運。また、それを得ること。→理運を開く
※玉塵抄(1563)一三「陣え立者はさきのやうようりうんになってとう帰りたいとをもわぬ者はないぞ」
④ 広く、よいめぐりあわせをいう。幸運。
※土井本周易抄(1477)五「九二九三は陽で理運で昇ぞ」
浄瑠璃・孕常盤(1710頃)五「源家利運の御吉左右」
⑤ (━する) 利益を得ること。得を求めること。もうけること。利益。
※咄本・春袋(1777)白銀の利運「おらなぞは江戸なればこそ、大阪で見やれ。両替五十何匁といふ利運(リウン)は、貴様は出来まい」
⑥ (形動) さも当然であるような態度。高慢で勝手であること。また、そのさま。
※成簣堂本論語抄(1475頃)憲問第一四「このどうじは坐しきにりうんにをる。これみちをもとむる者のにあらず」
※中華若木詩抄(1520頃)中「理運に案内なしに、打入て、亭主の居る床へ上りて、坐したぞ」

り‐おん【理運・利運】

〘名〙 (形動) (「りうん(理運)」の変化した語) =りうん(理運)⑥〔かた言(1650)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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