球茎(読み)きゅうけい

精選版 日本国語大辞典 「球茎」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐けい キウ‥【球茎】

〘名〙 植物地下茎形態一種主軸の茎の基部にでんぷんなど多量の養分を貯え、球形肉質になったもの。サトイモクワイなどにみられ、多くは球茎の上端から芽を出して新球茎をつくる。〔生物学語彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「球茎」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐けい〔キウ‐〕【球茎】

地下茎の一。でんぷんなどの養分を蓄え、球形に肥大したもの。その頂端から新しい芽を出す。グラジオラスサトイモクワイなどにみられる。
[類語]花茎地下茎根茎塊茎鱗茎蕗の薹芋蔓

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「球茎」の意味・わかりやすい解説

球茎
きゅうけい

地下茎がデンプンなどの養分を貯蔵して球形、卵形楕円(だえん)体などの形に肥大したもの。サトイモ、グラジオラスなどの地下にでき、地上部が枯れても生き残って越冬器官となり、翌年には発芽して栄養繁殖を行う。塊茎(かいけい)との厳密な区別はできないが、概して軸が垂直でその頂端だけから発芽するなどの特徴がある。一方、鱗茎(りんけい)とも類似し、園芸ではともに球根とよばれるが、鱗茎は葉が多肉であるのに対し、球茎は茎が肥大している。

[福田泰二]

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栄養・生化学辞典 「球茎」の解説

球茎

 球状の地下茎.

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世界大百科事典(旧版)内の球茎の言及

【球根】より

…チューリップ,スイセン,アマリリス,ユリ,ダッチ・アイリスなど。(2)球茎corm 地下の茎が肥大して球状となり,葉が変形した皮に包まれているもの。グラジオラス,クロッカス,フリージア,バビアナなど。…

【地下茎】より

… 地下茎は地面からすぐ下にある場合が多いが,スギナやハスなどのようにかなり深く地中を横走することもあり,これらの場合通気腔が発達している。地下茎はその形状から,横にはうものを根茎rhizome,塊状,球状のものを塊茎tuber,球茎corm,鱗片葉がつくものを鱗茎bulbなどという。シダ類のワラビやウラジロの地下茎は地中を長くはい,枝分れし,典型的な根茎であるが,斜上したり短く直立する根茎もある。…

※「球茎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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