珪線石(読み)けいせんせき(英語表記)sillimanite

精選版 日本国語大辞典 「珪線石」の意味・読み・例文・類語

けいせん‐せき【珪線石】

〘名〙 変成岩に含まれる白色柱状、繊維状の鉱物斜方晶系脂肪光沢をもち、透明半透明、黄灰、灰緑、褐色などの色を帯びる。アルミニウム珪酸塩成分とする。〔鉱物字彙(1890)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「珪線石」の意味・読み・例文・類語

けいせん‐せき【×珪線石】

アルミニウム珪酸塩からなる鉱物。紅柱石藍晶石らんしょうせき多形関係にある、褐色・淡緑色・白色の細い柱状結晶。斜方晶系変成岩中に産出

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「珪線石」の意味・わかりやすい解説

珪線石
けいせんせき
sillimanite

針状ないし繊維状結晶が平行に集合して産する鉱物。まれに板柱状結晶をなす。アルミニウムに富む片麻岩結晶片岩中、ときには接触変成岩中に産する。また変成ペグマタイトや広域変成岩地域の花崗岩(かこうがん)ペグマタイト中にもみられる。紅柱石、藍晶石(らんしょうせき)と同質異像をなし、変成温度、圧力によって出現する鉱物が異なる。珪線石は高温低圧領域で安定である。日本では紅柱石より産出はまれであるが、藍晶石より産出例は多い。英名はアメリカの化学者シリマンBenjamin Silliman(1779―1864)にちなんで命名和名は化学成分と外観による。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android