玉川(愛媛県の旧町名)(読み)たまがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「玉川(愛媛県の旧町名)」の意味・わかりやすい解説

玉川(愛媛県の旧町名)
たまがわ

愛媛県北部、越智郡(おちぐん)にあった旧町名(玉川町(ちょう))。現在は今治市(いまばりし)の南部を占める地域。高縄(たかなわ)半島の中央部にあり、蒼社(そうじゃ)川の上流域を占める。旧玉川町は、1962年(昭和37)町制施行。2005年(平成17)菊間(きくま)町、大西町など8町2村とともに今治市に合併。国道317号が通じる。今治市街地の近郊農業地帯として米麦や野菜の生産が盛ん。降水量が多く林業が発達し、木地師(きじし)集落だった木地や葛谷(かつらだに)などの集落がある。蒼社川の支流玉川は渓谷美に富み、町の名の由来となり、1871年(明治4)には右岸に鈍川(にぶかわ)温泉が開発された。温泉の北部には多目的の玉川ダム(1970年完成)があり、一帯は奥道後(どうご)玉川県立自然公園域。四国八十八か所の57番札所永福寺、58番仙遊寺のほか、中世城跡もある。また、玉川近代美術館には海外や国内の近代洋画が展示され、国宝の「伊予国奈良原山経塚出土品」が保管されている。

[横山昭市]

『『玉川町誌』(1984・玉川町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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