精選版 日本国語大辞典 「玉垣」の意味・読み・例文・類語
たま‐がき【玉垣】
(2)「万葉集」には詠まれておらず、八代集でも「あけの玉がき」が二例、「みつの玉がき」が一例あるのみである。「和歌初学抄」に「物名〈略〉垣 あけのたまがき たまがき みづのたまがき(已上神垣也)」とあるように、神社の垣をいうことが多く、松や白木綿(しらゆう)を配して歌に詠むことも多い。
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神社の聖域を囲む垣。斎垣(いがき)、瑞垣(みずがき)あるいは荒垣(あらがき)ともいう。伊勢(いせ)神宮では垣が幾重にも巡るが、外側から荒垣(板垣)、玉垣、瑞垣とよび区別している。玉垣には厚板を立て並ベた板玉垣や、木柵(もくさく)または石柵だけの簡素なものがある。中世以降になると、玉垣として柱を立て屋根をかけた塀もつくられるようになり、腰は板張りとするが、上は欄間(らんま)にして格子や襷桟(たすきさん)を入れるものがみられる。これを透塀(すきべい)ともいう。
[工藤圭章]
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… 日本における木造の垣の古い形式は,伊勢神宮の神殿の周囲に見られる。最も内側にあるのは,厚板を密に縦に並べた〈瑞垣(みずがき)〉,つぎは角材を柵状に組んだ〈内玉垣〉,さらに丸太を柵状に組んだ〈外玉垣〉があり,最も外側に板塀状の〈板垣〉がある。先端を三角形にとがらせた厚板を密に縦に並べた瑞垣は,春日大社などで用いられ,また中世の絵巻物にも多く描かれているので,古い時代の神社では非常に多く用いられたと考えられる。…
※「玉垣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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