玉取祭(読み)たまとりまつり

精選版 日本国語大辞典 「玉取祭」の意味・読み・例文・類語

たまとり‐まつり【玉取祭】

〘名〙
① 一月三日に行なわれる福岡市東区箱崎の筥崎(はこざき)八幡宮神事神殿の前から持ち運ばれた雌雄の木玉を得て当年の運気を開こうと、身を清めた裸体の競人(せりびと)大勢が競い合うもの。玉せり。玉せせり。《季・新年》 〔筑前国続風土記(1703)〕
② 広島県佐伯郡宮島町の厳島(いつくしま)神社で八月二〇日(もと陰暦七月一八日)に行なわれる神事。厳島玉取祭。《季・秋》

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デジタル大辞泉 「玉取祭」の意味・読み・例文・類語

たまとり‐まつり【玉取祭】

福岡市箱崎町の筥崎はこざきの正月3日の祭り木製の玉を裸になった大勢の若者が奪い合って豊年を占う行事。同様の行事が各地にある。玉せせり。

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百科事典マイペディア 「玉取祭」の意味・わかりやすい解説

玉取祭【たまとりまつり】

玉(宝珠)を得た者に幸運が授かるとしてそれを奪い合う祭。福岡市筥崎(はこざき)宮の祭は玉せせりともいい,正月3日,下社の恵比須神社から本宮まで,裸の若者たちがもみ合いながら雌雄2個の玉を運ぶ。広島県厳島(いつくしま)神社の祭は旧7月17日前後の日曜日,満潮時の海中で玉を争奪する。
→関連項目裸祭祭り

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世界大百科事典(旧版)内の玉取祭の言及

【裸祭】より

…裸祭には,みそぎによって生まれ変わることをめざすものと,競技を行うことで年占を行うものが多い。有名な裸祭には,岩手県水沢市の黒石寺の蘇民祭(旧正月7日),愛知県稲沢市の尾張大国霊神社の儺追(なおい)神事(国府宮の裸祭,旧正月13日),岡山県西大寺の会陽(えよう)(旧正月14日),福岡県の筥崎(はこざき)宮の玉取祭(玉せせり,正月3日)などがある。これらは冬の裸祭で,競技を行って年占をする形のものが多い。…

※「玉取祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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