日本大百科全書(ニッポニカ) 「玉(ぎょく)」の意味・わかりやすい解説
玉(ぎょく)
ぎょく
ジェードjadeともいい、普通は硬玉(ひすい)と軟玉(ネフライト)の2種類をさす。しかし、それらに類似した外観をもつ別種の鉱物からなる飾り石も含まれることがある。地名を冠したものはほとんどこの例で、カリフォルニアジェード(ベスブ石)、メキシコジェード(方解石)、トランスバールジェード(緑色の灰礬(かいばん)ざくろ石)などがある。軟玉は、透閃(とうせん)石あるいは緑閃石の非常に微細な結晶が集まってできている。世界中に産地が多く、価格も低いため、大形の美術工芸品などによく利用される。それに反して硬玉は、ひすい輝石jadeiteの微細な結晶が集まってできており、硬度も軟玉より高く、世界的に産出量が限られている。とくに緑色の美しいものは著しく価格が高く、宝石として扱われる。このようなものは現在ではほとんどみられず、ミャンマー(ビルマ)でのみ産する。白色のひすいに着色を施したものも宝石として市場に出ている。
[松原 聰]
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