獅子の丸(読み)ししのまる

精選版 日本国語大辞典 「獅子の丸」の意味・読み・例文・類語

しし【獅子】 の 丸(まる)

丸い輪郭の中に獅子かたちを描いた模様。
※保元(1220頃か)上「かちに色々の糸をもって、師子の丸をぬふたる直垂に」
[補注]「随・貞丈雑記‐一四」に「獅子の形を丸く紋に染たる韋なるべし。又は丸の内に獅子を染たる物歟」とあり、そのどちらをも指したらしい。また、「布衣記」に「馬のこしらへ様之事〈略〉鞍は水干鞍。切付はあざらしの皮。上敷同皮。或獅子面皮。力皮、師子丸にて上をつつむ」とあるので、獅子の顔面の模様ではなく、全身を図案化したものであろう。実際は平安末の大鎧の絵革などに見え、用例武具に関したものが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「獅子の丸」の意味・読み・例文・類語

しし‐の‐まる【×獅子の丸】

獅子を円形に文様化したもの。織物・染め物・刺繍ししゅうほか、染め革文様として馬具や武具に用いられた。

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