猿手(読み)さるで

精選版 日本国語大辞典 「猿手」の意味・読み・例文・類語

さる‐で【猿手】

〘名〙
① 猿がしきりに手を動かすこと。また、その手。転じて、絶えず、しきりに手を動かすこと。また、そのような手つき。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・崑山集(1651)一一「月よりも先木の実とる猿手哉〈可笑〉」
太刀の柄頭(つかがしら)兜金(かぶとがね)につけた鐶。腕貫(うでぬき)の緒の形式化したもの。指を握り合わせた形からいう。
※俳諧・犬子集(1633)一「今日年をさるでや太刀の鞆頭〈慶友〉」
能楽で、太鼓をのせる台の部分をいう。太鼓をのせる台の三本の足のうち、手前の方にある猿の手の形をした一本をさす。

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デジタル大辞泉 「猿手」の意味・読み・例文・類語

さる‐で【猿手】

太刀の柄頭つかがしら兜金かぶとがねにつけたかん腕貫うでぬきの緒を形式化したもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猿手」の意味・わかりやすい解説

猿手
さるで
ape hand

母指が他の指と同一平面に位置し,あたかもサルの手のようになる状態正中神経の低位麻痺によって母指球筋が萎縮するため,内転拘縮を起して,母指が屈曲および外転不能となって示指側に偏位することにより起る。

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